大腸カメラでわかる
『大腸』の疾患
大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)では、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎・クローン病、大腸憩室炎、虚血性大腸炎など、大腸のさまざまな疾患の発見・診断が可能です。
また当院では、大腸カメラを使った大腸ポリープの日帰り手術にも対応しております。
鎮静剤を用いた、専門医による苦痛の少ない大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を行っておりますので、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)が初めてという方、過去に受けた大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)が辛かったという方も、安心して当院にご相談ください。
感染性大腸炎
カンピロバクター、サルモネラ菌、ノロウイルス、ロタウイルスといった細菌・ウイルスの感染を原因として起こる大腸炎です。小さな子ども、ご高齢の方に発症した場合、重症化のリスクが高くなります。
主に、腹痛、下痢、吐き気・嘔吐、発熱といった症状を伴います。細菌性の場合、下血を伴うこともあります。
虚血性大腸炎
高血圧などに伴う動脈硬化によって、腸管の循環障害が起こる病気です。突然の強い腹痛、下痢・下血といった症状を伴います。動脈硬化を主な原因とするため中高年の発症率が高い病気ですが、慢性的な便秘によって若い人に発症するケースも見られます。
大腸憩室炎
大腸粘膜の一部が、ポケットのように外側にくぼむことを大腸憩室症と言います。大腸憩室症自体はありふれたものであり大きな問題ではありませんが、このポケット部分で炎症を起こすと、腹痛や発熱などを伴う「大腸憩室炎」と診断されます。炎症が悪化し、出血を起こすこともあります(大腸憩室出血)。
過敏性腸症候群
大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を行っても器質的な問題が見つからないにも関わらず、腹痛・腹部膨満感、下痢・便秘を繰り返す病気です。下痢型、便秘型、混合型などに分けられます。未治療の方を含めると国民の10~20%が過敏性腸症候群だと言われています。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
潰瘍性大腸炎、クローン病は共に、厚生労働省より難病の指定を受けています。どちらも、10~30代の、比較的若い方に多い病気です。免疫の異常が原因と考えられていますが、はっきりとしたメカニズムは解明されていません。
潰瘍性大腸炎では、大腸の炎症によって、血便・下痢・腹痛・発熱といった症状が見られます。一方のクローン病は、大腸・小腸を中心とするものの、口から肛門までのすべての消化管で炎症が起こり得る病気であり、下痢・腹痛・体重減少・発熱などの症状が見られます。あな痔などの肛門病変を合併することもあります。
完治は難しいものの、適切な治療によって症状をコントロールし、以前とほぼ変わらない生活を送ることが可能です。
大腸ポリープ
大腸粘膜がいぼ状やキノコ状に盛り上がったできものです。過形成性ポリープ、炎症性ポリープ、腺腫などに分類され、一部はがん化の可能性があるため、定期的な観察が必要です。大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)でがん化の可能性がある大腸ポリープを発見した場合、その大きさにもよりますが、できる限りその場で切除いたします。
大腸がん
大腸粘膜に生じる、自覚症状の乏しいがんです。ほとんどは大腸ポリープががん化して発生しますが、大腸粘膜に直接がんが発生することもあります。ある程度進行すると、血便、下痢・便秘、便が細くなる、腹痛、貧血などの症状が現れます。便潜血検査で陽性となった場合、必ず精密検査として大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を受けてください。
当院で診療する
『肝臓・胆嚢』の疾患
大阪大手前つぼもと消化器内視鏡・肛門外科クリニックでは、肝臓・胆嚢疾患の診療も行っております。
胆石・総胆管結石
胆嚢にできる石(結石)のことを胆石と言います。コレステロール、胆汁中の成分が固まることで、石ができます。胆石が胆嚢の出口を塞いだ場合には、突然の右上腹部の激しい痛み、吐き気、発熱といった症状が引き起こされます。
総胆管結石とは、胆石が胆管へと移り、詰まった状態を指します。放置していると、胆管炎、膵炎を引き起こすことがあるため、早期の治療が必要です。
検査方法
腹部エコー検査、CT検査、MRI検査などを行い、結石の有無・位置を確認します。
※当院では、CT検査・MRI検査は行っておりませんが、必要に応じて連携医療機関をご紹介いたします。
脂肪肝
肝臓に、中性脂肪が過剰に蓄積した状態です。近年は肥満・糖尿病・高血圧症などを原因とした非アルコール性脂肪肝(NAFLD)が増加しています。放置していると、肝炎、そして肝硬変・肝がんへと進行する可能性が高くなるため、早期治療が必要です。
検査方法
腹部エコー検査、血液検査(AST・ALT・γ-GTP)などを行い、脂肪の蓄積の程度、肝機能について調べます。CT検査・MRI検査が必要になることもあります。
※当院では、CT検査・MRI検査は行っておりませんが、必要に応じて連携医療機関をご紹介いたします。
慢性肝炎
半年以上に及ぶ肝炎のことを、慢性肝炎と言います。B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスの感染、免疫異常、薬剤などが原因となります。自覚症状に乏しく、健康診断などで偶然発見されることが少なくありません。放置していると、肝硬変、肝がんへと進行する可能性が高くなります。
検査方法
スクリーニングとして、肝機能・ウイルス抗体の有無を調べる血液検査を行います。その上で、必要に応じて腹部エコー検査、MRI検査、肝生検などを行います。
大腸カメラ検査を検討すべき
症状・タイミング
大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)では、大腸粘膜を直接観察し、ポリープ・がん・炎症・潰瘍などの病変を早期に発見することができます。大腸がんをはじめとするさまざまな大腸の病気の早期発見において、現在もっとも有効な検査です。
腹痛、便通異常、血便など、以下のような症状がある方、便潜血検査で陽性だった方は、お早目に当院にご相談ください。
症状チェックしましょう
特に血便が出た場合、便潜血検査で陽性だった場合は、一度きりであっても必ず受診してください。
- 下痢、便秘が続いている
- 明かな血便、黒い便(タール便)が出た
- 腹痛、腹部膨満感
- 便が細くなった
- 残便感がある
- 便潜血検査で陽性だった
40歳を超えたら
“予防のため”の大腸カメラを
意識しましょう
大腸がんは初期症状に乏しいことから、そのことが原因で発見が遅れるというケースが少なくありません。ご存じの通り、大腸がんは発見が遅れると、命の危険が高まる病気です。また、大腸がんは生活習慣の乱れと深く関わる病気であり、40歳以降は特に発症リスクが高くなります。
40歳以上の方は、自覚症状がなくても、定期的に大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を受けることをおすすめします。がん化の恐れのある大腸ポリープをその場で切除することも可能ですので、大腸がんの予防という意味でも、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)は重要な意味を持ちます。
