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大腸ポリープ

大腸ポリープについて・種類

大腸ポリープについて・種類大腸ポリープとは、大腸粘膜の一部が隆起して生じるできものです。稀に、平坦なものもあります。大きさは1mm~数cmとさまざまです。
大腸ポリープの一部は、がん化し大腸がんとなります。がん化の恐れのあるポリープを切除しておくことは、大腸がんの予防に直結します。

大腸ポリープの種類

大腸ポリープは大きく、腫瘍性ポリープと、非腫瘍性ポリープに分けられます。
また非腫瘍性ポリープは、さらに細分化されます。

腫瘍性ポリープ

大腸ポリープの大部分(約8割)を占めます。
大きくなると、がん化のリスクが高まります。

非腫瘍性ポリープ

通常、がん化のリスクの少ないポリープです。ただし、中にはがん化するものがあります。

炎症性ポリープ

腸管での炎症後に生じるポリープです。

過形成性ポリープ

主に加齢を原因として、粘膜が盛り上がって生じる大腸ポリープです。

過誤腫性ポリープ

粘膜の過剰な発育によって生じるポリープです。比較的若い方によく見られます。

大腸ポリープができやすい人の特徴と主な原因
(生活習慣・遺伝・年齢)

大腸ポリープは、誰にでも発生しうるものです。
主な原因としては、生活習慣、遺伝、年齢などが挙げられます。

生活習慣

食べ過ぎ、肥満、飲酒、喫煙、加工肉・脂肪分の摂り過ぎ、食物繊維の不足などが、大腸ポリープの発症リスクを高めると言われています。

遺伝

若い頃から多数の大腸ポリープが発生する病気を家族性大腸腺腫症と言い、遺伝性が認められます。

年齢

先述の生活習慣なども影響するものと思われますが、大腸ポリープのある患者さんは40歳くらいから増え始めます。

大腸ポリープが2cm以上の場合はがんの可能性が高まる!?

大腸ポリープは、大きくなるほどがん化のリスクが高まります。
大きさごとのがん化の確率は、以下の通りです。

  • 5mm未満:1%前後
  • 5mm以上10mm未満:数%
  • 10mm以上20mm未満:10%前後
  • 20mm以上:20~30%以上

ご覧になって分かる通り、20mmを超えると急激にがん化の確率が高まります。特に腫瘍性ポリープは、予め切除しておくことが大切です。

小さな大腸ポリープは
自覚症状がない?
注意すべき症状とは

小さな大腸ポリープは自覚症状がない?注意すべき症状とは大腸ポリープの症状には、以下のようなものがあります。ただ、ある程度大きくならないと症状が現れにくいため、無症状であっても定期的に大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を受け、大腸ポリープの早期発見に努めることが理想です。

  • 血便
  • 便潜血検査で陽性
  • 腹痛
  • 腹部膨満感
  • 下痢

大腸ポリープの検査・診断

まずはスクリーニング検査として、便潜血検査を行います。便潜血検査で陽性だった場合、あるいは他の症状から大腸疾患が疑われる場合には、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を行います。
大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)でがん化の恐れのある大腸ポリープを発見した場合には、その場で切除します。当院では、鎮静剤を用いた、専門医による大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)・日帰り大腸ポリープ切除に対応しております。

大腸カメラの
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大腸ポリープ切除
(日帰り手術)

大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を行い、がん化の恐れのあるポリープを発見した場合には、その場で切除します。また、他院さんで見つかった大腸ポリープを、当院で切除することも可能です。

ポリープ切除の手法

ポリープのタイプなどに応じて、以下のような術式を使いわけます。

ポリペクトミー

内視鏡の先から金属製のスネアを出し、ポリープに引っかけ、高周波電流を流しながら焼き切ります。電流により、切除と同時に止血ができます。

コールドポリペクトミー

スネアをポリープに引っかけるところまでは、ポリペクトミーと同じです。電流は使用せず、スネアを締めることでポリープを切除します。切除後、内視鏡で止血処置を行います。

コールドポリペクトミー

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

平坦なポリープに向いた方法です。
生理食塩水をポリープの下に注射し、ポリープを持ち上げた上で、スネアを引っかけて高周波電流で焼き切ります。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

大腸ポリープ切除の所要時間・痛み・術前後の注意点

大腸ポリープ切除の所要時間、痛み、注意点など、概要は以下の通りとなります。

大腸ポリープ切除の所要時間について

ポリープの数にもよりますが、観察+切除で、長くても30分以内には終わります。
※特に異常がなく観察のみの場合、15~20分

大腸ポリープの痛みについて

大腸粘膜には知覚神経が通っていないため、切除の際に痛みを感じることはありません。大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)に伴う腹部の不快感、圧迫感についても、鎮静剤を使用すれば、ほとんど感じません。

大腸ポリープ切除前の注意点

  • 鎮静剤を使用する場合、当日の車やバイクの運転ができません。
  • お薬を服用している方は、必ず事前にお申し出ください。抗凝固薬、抗血小板薬など、一部休薬が必要なものがあります。
  • ポリープ切除後、10日ほどは旅行・出張などによる遠方への移動を控えていただきます。予め、仕事・プライベートのスケジュールをご確認ください。

大腸ポリープの切除後の
注意点

  • 出血を防ぐため、1週間ほどはアルコールや刺激物、脂っこいものはお控えください。また、激しい運動もお控えください。
  • 切除の当日は、シャワーでお済ませください。入浴は翌日から再開可能です。
  • 先述の通り、10日ほどは遠方への移動をお控えいただきます。

ポリープ切除後の食事制限期間と注意すべきポイント

大腸ポリープ切除後の生活では、特に以下の点にお気をつけください。

食事・アルコール

アルコール、刺激物、脂っこいものなど、腸への刺激となるものは1週間ほどお控えください。
切除当日はお粥、うどん、豆腐、ヨーグルト・ゼリーなどで食事を済ませ、その後徐々に、普段の食事へと戻していきます。

お風呂

シャワーは、切除当日から再開可能です。入浴の再開は、切除の翌日以降としてください。

運動・動作

散歩程度の軽い運動でしたら、当日から可能です。
ただし、激しい運動については、1週間ほどお控えください。重い物を持つ等の動作についても、同じ期間、お控えください。

長距離移動
(旅行・出張など)

出血を起こした場合の処置が遅れる可能性があるため、1週間ほどは旅行や出張による遠出はお控えください。また長時間座っていると、腹圧が上昇し、出血しやすくなります。