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下痢

便がゆるいのが続く・下痢とは

便がゆるいのが続く・下痢とは60~70%以上の水分を含む便のことを、下痢と言います。
水分を摂り過ぎただけでも下痢は起こりますが、病気による急性の下痢・慢性の下痢も少なくありません。原因が分からない場合や、下痢によって日常生活に支障をきたしている場合、他にも症状がある場合は、一度当院にご相談ください。

放置してはいけない
下痢の症状チェック

すぐに受診が必要な下痢

以下のような下痢については、様子見などをせず、すぐに当院にご相談ください。

  • これまで経験したことのない激しい下痢
  • 1日に何回も下痢が繰り返されている
  • 下痢に血のようなものが混じっていた
  • 嘔吐、発熱を伴う下痢
  • 同じものを食べた人も下痢をしている
  • だんだんと下痢がひどくなっている
  • 水を飲めない
  • 意識がもうろうとしている

受診の際にお伝えいただきたいこと

下痢症状や状況について、以下のようなことを把握できれば、検査の選択や診断・治療に役立ちます。

  • 下痢になる前に摂った食事
  • 下痢が始まった日
  • 排便の頻度・1日の回数
  • 肉眼で血液のようなものが下痢の中に見えたか
  • 下痢以外の症状

下痢の原因

急性下痢

急性下痢の原因の多くを、ウイルス・細菌感染、暴飲暴食が占めます。
感染性胃腸炎の場合、まわりの人にうつしてしまう可能性もあるため、より早期の受診が推奨されます。また、下痢とともに発熱・嘔吐などがあると、脱水のリスクも高まります。特に小さなお子さん、ご高齢の方は注意が必要です。

慢性下痢

クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、大腸がんなど、さまざまな病気を疑う必要があります。ストレス、薬の副作用が原因になることもあります。

4種類の下痢

浸透圧性下痢

水分が腸管で適切に吸収されないために起こる下痢です。下剤、アルコールといった高浸透圧性物質が原因となるケースが目立ちます。

分泌性下痢

腸管内に水分が分泌されて起こる下痢です。ウイルス・細菌感染、非吸収性食物脂肪の摂取などが原因となります。

滲出性下痢

腸管内に浸出液が排出されて起こる下痢です。腸の炎症などにより、腸管粘膜の透過性が高まることが原因となります。

腸管運動異常による下痢

腸の蠕動運動が過剰となり、十分に水分が吸収されないまま、便が排泄されて起こる下痢です。過敏性腸症候群、甲状腺機能亢進症などが原因となるケースが見られます。

下痢を伴う病気・疾患

感染性胃腸炎

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、病原性大腸菌、サルモネラ属菌などのウイルス・細菌の感染を原因として発症します。激しい下痢と嘔吐、腹痛、発熱、血便などの症状が見られます。

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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

どちらも、下痢・血便・腹痛などの症状が見られます。クローン病は潰瘍性大腸炎とは異なり、口から肛門までのすべての消化管で炎症が起こる可能性がありますが、頻度は小腸・大腸が多くなります。

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虚血性腸炎

動脈硬化などを原因として、大腸の血流が障害され、炎症・潰瘍が生じる病気です。左側腹部・下腹部の痛み、下痢、血便といった症状を伴います。

大腸がん

血便、下痢、便秘、便が細くなる等、便の異常が見られます。その他、腹痛や腹部膨満感などの症状を伴うこともあります。初期症状に乏しいため、早期発見のため、定期的な大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)をおすすめします。

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過敏性腸症候群(IBS)

腹痛や下痢・便秘といった症状が、3ヶ月以上続く病気です。下痢型・便秘型・混合型などに分けられます。ストレスが発症に影響していると考えられます。

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慢性膵炎

自覚症状に乏しいものの、進行するとみぞおち・背中の鈍い痛み、体重減少、下痢などが出現します。また、白っぽい便が出ることもあります。

下痢の時の検査・診断

急性下痢、慢性下痢のそれぞれにおいて、以下のような検査を行い、診断します。

急性下痢の場合

急性下痢の場合血液検査、検便などを行い、ウイルス・細菌を特定します。

慢性下痢の場合

血液検査、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)などを行い、炎症の程度、病変の有無などを調べます。大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)では、大腸のさまざまな病気を早期発見することが可能です。また、組織を採取し、病理検査を行うこともできます。

下痢の治療

急性下痢であるか慢性下痢であるかによって、治療方針が異なります。

急性下痢の場合

整腸剤、抗菌薬などを用いた薬物療法を行います。
また脱水予防のため、十分な水分補給について指導します。口から飲むことが難しい場合には、点滴により水分を補給します。
ウイルス・細菌の排出を遅らせることになるため、基本的に下痢止めは使用しません。自己判断でのご使用もお控えください。

慢性下痢の場合

潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性腸炎、過敏性腸症候群などの病気が原因となっていることが多いため、その原因に応じた薬物療法・生活習慣指導を行います。
大腸がんが見つかった場合、入院・手術が必要になった場合など、すみやかに提携する病院をご紹介します。

下痢が続くときの
正しい水分補給方法

下痢が続くときの正しい水分補給方法下痢が続くと、体内の水分が不足しがちです。特に、発熱・嘔吐がある場合、より脱水のリスクが高くなります。
水分補給の際には、以下のような点にお気を付けください。

常温または温かいものを飲む

冷たいものは、胃腸を刺激し下痢を悪化させます。常温のもの、または温かいものを飲むようにしてください。

まずは経口補水液を

症状が強いあいだは、脱水予防に高い効果が期待できる「OS-1」などの経口補水液による水分補給をおすすめします。

その他の飲み物

水、白湯がおすすめです。
症状が落ち着いてきたら、スポーツドリンクでも構いません。ただし、糖分を多く含むので、飲み過ぎたり、習慣化したりすることは避けましょう。

水分補給のペースについて

のどが渇いていても、一気飲みはせず、少量ずつ小まめに飲むようにしてください。