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十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍とはどんな病気?

十二指腸潰瘍とはどんな病気?十二指腸とは、胃から続く小腸の一部の管状の器官です。主に、胃で消化された内容物に、膵液・胆汁を混ぜる働きを持ちます。
十二指腸潰瘍とは、この十二指腸の粘膜が、深くえぐれる病気です。胸やけや胃もたれ、みぞおちの痛み、ゲップ、吐き気・嘔吐、食欲不振などの症状を伴います。

胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違い

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、ほぼ同じ原因、症状を持ちます。
ただ、胃やみぞおちの痛みが出るタイミング、発症しやすい年代に、傾向の違いが見られます。どちらも治療が必要な病気ですので、症状に気づいた時にはお早目に当院にご相談ください。

  胃潰瘍 十二指腸潰瘍
痛みを感じるタイミング 食事中や食後3~4時間 空腹時、
夜間
発症しやすい年代 20~40代 中高年

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十二指腸潰瘍の症状チェック

十二指腸潰瘍では、主に以下のような症状が見られます。

二指腸潰瘍の症状チェック
  • 胸やけ
  • 胃もたれ
  • みぞおちの痛み(主に空腹時・夜間)
  • ゲップ
  • 吐き気、嘔吐
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 吐血
  • タール便(黒い便)
  • 便潜血検査陽性
  • 背中の痛み

重症例では、吐血や下血、便潜血検査陽性といった症状が見られます。一度でもこれらの症状があれば、ただちに受診してください。

背中に痛みを感じることも

粘膜が深くえぐれていたり、炎症が膵臓に波及した場合など、背中の痛みを感じることがあります。
筋肉や骨の痛みのように感じ、整形外科を受診したものの異常が見つからないというケースも少なくありません。原因の分からない背中の痛みがあれば、一度当院にご相談ください。

十二指腸潰瘍の原因

ピロリ菌感染

ピロリ菌感染十二指腸潰瘍の代表的な原因です。ピロリ菌が出す毒素によって、十二指腸の粘膜にダメージが蓄積し、潰瘍が生じます。ピロリ菌感染はその他、胃潰瘍、慢性胃炎、胃がんなどの原因となります。

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NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)

医療現場で痛み止め、炎症止めとしてしばしば使用されるNSAIDsは、長期の使用、また場合によっては短期の使用によって、十二指腸潰瘍や胃潰瘍の原因になることがあります。

胃酸の過剰な分泌

繰り返しの暴飲暴食などにより胃酸の分泌が過剰になると、十二指腸や胃の粘膜が傷つき、潰瘍が生じることがあります。またストレス、睡眠不足、過労なども自律神経のバランスを乱し、過剰な胃酸分泌を招く原因になります。

十二指腸潰瘍の検査

問診・診察の上で、十二指腸潰瘍(や胃潰瘍)が疑われる場合には、以下のような検査を行います。

胃カメラ検査
(胃内視鏡検査)

口または鼻から内視鏡を挿入し、十二指腸の粘膜を観察します。炎症・潰瘍の有無や程度を詳しく調べることができます。組織を採取してピロリ菌検査を行ったり、病理検査を行ったりすることも可能です。

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ピロリ菌検査

胃カメラ検査(胃内視鏡検査)の際に組織を採取し、ピロリ菌検査を行います。胃カメラを使ったピロリ菌検査には、保険が適用されます。
尿・血液・便・呼気などからピロリ菌検査を行うことも可能ですが、その場合は自費診療となります。
※条件によっては保険適用となる場合もありますので、お気軽にご相談ください。

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十二指腸潰瘍の治療

十二指腸潰瘍と診断した後は、以下のような治療を行います。

薬物療法

薬物療法胃酸分泌抑制薬、吐き気止め、胸やけを抑える薬、痛みを抑える薬など、病態・症状に応じて処方します。

生活習慣の改善

暴飲暴食、睡眠不足、過労、ストレスなどがある場合には、その改善のための指導を行います。
食事で気をつけるべきポイントは、このページの最下部でご紹介します。

ピロリ菌の除菌治療
(陽性の場合)

ピロリ菌検査で陽性だった場合は、お薬を使ってピロリ菌の除菌治療を行います。十二指腸潰瘍の再発防止、胃がんをはじめとする他の病気の予防という意味でも、大切な治療です。

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仕事を休むべき?十二指腸潰瘍と休職期間の目安

仕事を休むべき?十二指腸潰瘍と休職期間の目安多くの場合、お仕事は休まずに治療ができます。
ただし、症状がひどく仕事をすることがストレスになる場合、出社によって適切な食事療法が難しくなる場合、お身体への負担が大きい仕事をされている場合などは、休職をおすすめすることがあります。無理に働き続けることで、症状が悪化したり、治りが遅くなったりする可能性があるためです。また、潰瘍が深くなり穿孔をきたしている場合、吐血・下血がある場合など、入院治療が必要になることもあります。
休職期間は、潰瘍の状態、症状、職場の環境などによって異なります。
医師、職場の責任者とよくご相談ください。
なお、診断書が必要になった場合には、速やかに作成いたします。

十二指腸潰瘍になったときの
食事のポイント

  • 消化が良く栄養価の高いものを、よく噛んで食べるようにしましょう。
  • 食べ過ぎを控えましょう。1日1食や2食で済ませると、1回あたりの食べる量が増えてしまいます。1日3食、適量を摂るようにしましょう。
  • アルコール、カフェイン入り飲料、炭酸飲料、刺激物、脂っこいもの、繊維質のもの、酸味の強いものは当分のあいだ、避けましょう。
  • 熱すぎるもの、冷たすぎるものも控えましょう。
  • 食後は椅子に座るなどして安静にし、消化を助けましょう。夕食は、就寝の2時間以上前に済ませます。

※潰瘍が深い場合、出血しているまたは出血のリスクが高い場合、絶食が必要になることがあります。その場合は、点滴などで栄養を補います。絶食の指示が合った場合は、自己判断で絶食を中断することのないようにしてください。