胃もたれの症状チェック
胃もたれ（心窩部不快感）とは、胃のあたりになんとなく重い感じがあったり、気持ち悪く感じたりする症状のことを指します。
- 胃が重い感じがする
- 胃のあたりが気持ち悪い
- 胃が苦しい感じがする
- 胃が張っている
- 吐き気がある
- 胃がグルグル鳴って調子が悪い
上記のような胃もたれの症状がございましたら、お早目に当院にご相談ください。
胃もたれとは
胃は、食べ物を一時的に溜め込んだり、胃酸でその食べ物を溶かしたりといった役割を担っています。たくさんの量を一度に食べたり、胃酸の分泌が過剰になったり、胃の機能が低下したりといった時に、胃の重い感じ・気持ち悪さ等の胃もたれを感じます。病気が原因となることも多く、その中には胃がんなどの重大な病気も含まれます。
症状を言葉で表現しにくい場合も、「いつもと違う感じがする」という時には、原因を調べて適切に対応・治療することが大切です。
胃もたれの受診の目安
胃もたれは、私たちにとって身近な症状です。特に以下のような場合は、病気の可能性も考え、消化器内科などを受診するようにしましょう。
- 食べ過ぎ、飲み過ぎをしていないのに胃もたれがある
- 胃もたれが1週間以上続いている
- ときどき、ひどい胃もたれを感じる
- 胃もたれによって、十分な食事ができない・食欲が湧かない
- 胃もたれ以外にも、胃痛、吐き気などの症状がある
- 体重が減ってきた
胃もたれの原因
胃もたれの原因として、よく見られるものをご紹介します。
食生活の乱れ
食べ過ぎ・早食い、お酒の飲み過ぎ、脂っこいものの摂り過ぎといった食生活の乱れは、胃酸の過剰な分泌を招いたり、内容物を胃に長く留まらせたりするため、胃もたれの原因となります。
自律神経の乱れ
ストレスや睡眠不足、不規則な生活リズムなどによって自律神経のバランスが乱れると、胃や腸の働きが低下し、消化がうまく進まないことがあります。
加齢
胃腸の働きは、加齢とともに徐々に低下していきます。若い頃と同じ量・同じ内容のものを食べていると、胃もたれなどの症状が現れやすくなります。
上部消化管の病気
逆流性食道炎、食道がん、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、機能性ディスペプシアといった食道・胃・十二指腸の病気が原因になることもあります。
胃もたれを引き起こす
可能性のある病気
胃もたれを引き起こす病気について、主なものをご紹介します。食道・胃・十二指腸以外の病気が原因になるケースも見られます。
食道がん
初期には症状に乏しい食道がんですが、進行すると、のどの痛み・咳、飲み込みづらさ、声がれ、胃もたれ、胸の不快感等の症状が現れます。
慢性胃炎・萎縮性胃炎
主に、ピロリ菌の感染を原因として発症します。胃の軽い痛み、胃もたれ、吐き気、食欲不振などの症状を伴います。慢性胃炎を放置していると、胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎へと進行します。
胃・十二指腸潰瘍
ピロリ菌や薬の副作用などを原因として、胃・十二指腸の粘膜で炎症・潰瘍が生じる病気です。胃痛、胃もたれ、吐き気・嘔吐、食欲不振などの症状が見られます。
機能性ディスペプシア
検査では器質的な異常が認められないにも関わらず、胃もたれ、胃痛、早期飽満感、吐き気といった不快な症状が続く病気です。発症にはストレスが影響すると考えられます。
虫垂炎
虫垂の細菌感染などを原因として発症します。みぞおち～へそのあたりで発生した痛みが、半日から1日ほどの時間をかけて右下腹部へと移動します。これに加え、胃もたれ、吐き気などを伴うことがあります。
心疾患
心筋梗塞などで、胃もたれ、吐き気、冷や汗といった症状を伴うケースが見られます。
胃もたれの検査・診断・治療
問診・診察をした上で、必要に応じて以下のような検査を行い、診断・治療します。
胃カメラ検査
食道・胃・十二指腸の病気を早期発見することが可能です。組織を採取して病理検査やピロリ菌検査を行うこともできます。当院では、鎮静剤や経鼻内視鏡をご用意し、苦痛を最小限に抑えられるよう努めています。
治療について
疾患が見つかれば、その疾患に応じた薬物療法・生活習慣指導などを行います。またピロリ菌検査で陽性だった場合には、ピロリ菌の除菌治療を行います。
胃もたれをすぐに楽にする
解消方法・対処法
胃もたれなどの症状があっても、すぐに受診できないという場面もあるかと思います。そのような時に症状を軽減する方法について、ご紹介します。
食事に気をつける
食べ過ぎ、早食い、脂っこいものの摂り過ぎは避け、お粥・うどんなど消化の良いものを摂りましょう。大根やかぶなど、消化酵素を多く含む食品を取り入れるのもおすすめです。
飲み物に気をつける
水分補給は、胃への負担の少ない白湯がおすすめです。冷たすぎるもの・熱すぎるもの、炭酸、カフェイン、アルコールなど、胃を刺激する飲み物は避けてください。
適度な運動をする
適度な運動は、胃腸をほどよく刺激し、消化を促進する効果があります。散歩やストレッチなど、リラックスしてできるものがおすすめです。
心身をリラックスさせる
過労・睡眠不足・不規則な生活・ストレスを避け、心身を休ませましょう。心身のストレスは、胃腸の働きを低下させます。
市販の胃薬を内服する
胃もたれ、胃痛などの症状を和らげます。受診するまでのつなぎの対応として、有効です。
その他
喫煙、就寝前の食事、食べてすぐ横になるといったことも避けましょう。