- 胃がんの初期症状とは?おならや
ゲップが増える? - 胃がんとはどんな病気?
- 胃がんの主な原因となりやすい方の
特徴 - 胃がんの早期発見のため検査を
受けましょう - 胃がんの治療
- 胃がんの生存率は?ステージごとの
目安
胃がんの初期症状とは?
おならやゲップが増える?
胃がんは命を脅かす病気ですが、実は自覚症状の乏しい病気でもあります。
特に初期には症状が現れにくく、ある程度進行してから胃痛、胃もたれ、胃の張った感じ、ゲップ、胸やけといった症状が現れます。ただ、これらは他の上部消化管の病気でも見られる症状ですので、胃がん特有の症状というものは存在しないとお考えください。
おならが増えたという場合、胃がんの症状という可能性はほとんどありませんが、過敏性腸症候群などの大腸の病気が疑われます。気になる場合は、一度ご相談ください。当院では、胃カメラ検査(胃内視鏡検査)、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)のどちらにも対応しております。
胃がんの症状
- 胃やみぞおちの痛み
- 胃の張った感じ、重い感じ
- ゲップ
- 胸やけ
- 吐き気
- 食欲不振
- 体重減少
- 黒色便(タール便)
- 貧血、めまい、ふらつき
- 吐血
胃がんとはどんな病気?
胃がんは、胃の内壁を覆う粘膜の細胞ががん化し、無秩序に増殖することで発生します。進行が緩やかな分化型と、進行の早い未分化型に分けられます。また進行すると、周囲の臓器へと転移します。
特に初期は自覚症状が乏しく、一方で命を脅かす病気であるため、早期発見が非常に重要となります。早期治療ができれば、寛解が期待できるがんです。そして早期発見・早期治療を可能にするのが、定期的な胃カメラ検査(胃内視鏡検査)です。
スキルス胃がんとは?
スキルス胃がんとは、潰瘍や腫瘤を形成せず、胃の壁に染み込むように進行する、女性に多いがんです。
粘膜の見た目上の変化が少なく、進行が早いため、発見した時には転移が生じているケースも少なくありません。
スキルス胃がんについては、胃カメラ検査(胃内視鏡検査)よりも胃バリウム検査の方が発見しやすいことがあります。当院では、胃バリウム検査、胃カメラ検査(胃内視鏡検査)のどちらにも対応しております。
胃がんの主な原因と
なりやすい方の特徴
胃がんの原因には、さまざまなものがあります。
原因を知り、対策をすることは、胃がんのリスクを抑えることにもつながります。
ピロリ菌感染
ピロリ菌の感染は、胃がんの最大の原因と言われています。ピロリ菌が出す毒素によって胃粘膜で慢性的な炎症を起こし(慢性胃炎)、さらに萎縮する(萎縮性胃炎)と、そのうちの一部は胃がんを引き起こします。
ピロリ菌に感染している可能性が高いのは、以下のような人です。
- 幼少期、井戸水を飲用や生活用水に使っていた
- 上下水道の整っていない国・地域で暮らし井戸水、未処理の水などを使用した時期がある
- 家族がピロリ菌に感染していた(ピロリ菌検査で陽性だった)
塩分の摂り過ぎ
塩分の摂り過ぎは、胃粘膜を傷つけ、炎症などが起こりやすくなります。またピロリ菌に感染している場合には、その影響を受けやすくなります。
塩分は、気づかないうちに摂り過ぎているケースが少なくありません。特に以下のような人は、食習慣を改めましょう。
- 外食、コンビニ弁当などが多い
- 味付けの濃い食べ物、漬物、梅干し、塩辛などが好き・よく食べる
- インスタント食品、加工食品をよく食べる
喫煙
喫煙は、胃の血流を低下させたり、胃粘膜を傷つけることから、胃がんの原因の1つになると言われています。
喫煙本数が多い・喫煙年数が長いほど、胃がんのリスクが高まります。また一度上昇した胃がんリスクは、禁煙後も数十年間は元に戻らないと言われています。
- 10年以上喫煙している
- 1日20本以上吸っている
※喫煙期間が短い・本数が少ないから、非喫煙者と胃がんリスクが同じというわけではありません。
飲酒
飲酒も喫煙と同様、胃がんリスクを高めます。多量・長期であるほどそのリスクは大きくなりますが、少量であっても影響があることが分かっています。
特に、以下のような方は注意が必要です。
- 毎日、またはほぼ毎日飲酒している
- お酒を飲む時は、ビールや日本酒を1合以上飲んでしまう
ストレス
ストレスは、胃酸の過剰な分泌による胃粘膜への負担増、暴飲暴食といった生活習慣の乱れを招くことから、直接的または間接的に胃がんのリスクを高めると言われています。
- 長時間労働、休日の少なさ、睡眠不足、子育て・介護などで身体が疲弊している
- 職場、家庭などにおける人間関係で精神的に辛い状況が続いている
- ストレス解消法がない、解消する時間がない
胃がんの早期発見のため検査を受けましょう
胃がんは自覚症状の乏しいがんです。「症状が出てから受診する」という対応では、早期発見・早期治療は難しくなります。
そこでおすすめしたいのが、症状のないうちからの定期的な胃カメラ検査(胃内視鏡検査)です。カメラを通して胃粘膜を直接観察するため、胃がんを含めた病気の早期発見が可能です。また検査の際には、食道・十二指腸の粘膜も観察します。
当院では、組織を採取して行うピロリ菌検査、病理検査にも対応しております。鎮静剤、経鼻内視鏡を用いた専門医による苦痛の少ない胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を行っておりますので、どうぞ安心してご相談ください。
胃がんの治療
胃がんの治療法は、早期胃がんであるか、進行胃がんであるかによって異なります。
早期胃がん
内視鏡的治療・外科的治療
近年は、早期胃がんであれば胃カメラを使った内視鏡的治療が可能です。開腹の必要がないため、入院期間が短く、お身体への負担が少なくなります。
ただし、リンパ節転移の可能性がある場合には、早期胃がんであっても開腹手術が必要になることがあります。
進行胃がん
外科的治療・化学療法
進行胃がんであり、遠隔転移がない場合には、手術が標準的治療となります。手術前にがんを小さくするための化学療法を行ったり、手術後の再発を防ぐために放射線療法を行ったりすることもあります。
進行胃がんのうち、遠隔転移がある場合、切除しきれない場合には、化学療法を行います。その場合も、放射線治療と組み合わせることがあります。
胃がんの生存率は?
ステージごとの目安
胃がんは、早期発見・早期治療によって、完治が期待できるがんです。
ステージによって生存率に差があることからも、早期発見・早期治療が以下に重要であるかが分かります。
以下、各ステージにおける5年生存率についてご説明します。
ステージ1
がんが、胃の粘膜内に留まっており、筋層には及んでいない状態です。
5年生存率は、90%以上です。
自覚症状はほぼありません。稀に、軽い胃痛・違和感が生じるケースがあります。
ステージ2
がんが、筋層まで達しているものの、転移は限定的という状態です。
5年生存率は、60〜70%前後です。
一般的に、ステージ2から、胃痛、胸やけ、食欲不振といった症状が現れ始めます。一方、まったくの無症状であるケースも少なくありません。
ステージ3
がんがより深く浸潤し、周囲のリンパ節へと及んでいる状態です。
5年生存率は、30〜50%前後です。
胃痛などの症状が強くなり、体重減少、貧血、黒色便(タール便)などが現れるようになります。
ステージ4
遠くの臓器へと転移している状態です。
5年生存率は、10%以下です。
激しい胃痛、吐血、倦怠感などの症状が現れます。
※上記の5年生存率は、あくまで目安です。患者さんの年齢・体力・治療法などによって異なります。
